STORY

 伊早直樹曰く……

「ぜんぜん興味ないな」


憲法なんて知らん。
今まで通りでいいんじゃないの?
そういうのは、頭のイイ奴が、考えて決めてくれればいいんじゃないかな。

しかし古緋先生も面倒さそうな授業はじめるなぁ。
ディベートだって。
「ディベートとは、ある公的な主題について異なる立場に分かれ議論することをいう」
しかもわけわからんテーマ。

「憲法改正問題です。特に憲法九条について改正した方がみんな幸せなのか、このままの方がハッピーなのか考えましょう!」

大和さんが改憲派で、九條が護憲派のリーダーって………
2人が自分の主張を、ディベートして、クラスで支持者を増やし、最後は多数決で決めるだって。
勝った方には、すごいご褒美があるらしいけど。
どーせ、あの先生のことだから、わけのわからんしょーもないモノだろう。
大和さんと九條、普段から仲悪いし、2人とも徒党組んでるから、一悶着ありそう。

そんなことより今作っている同人ゲームの制作が忙しいんだ。
もう3体ほどキャラクター設定を書かないと………
俺は一人暮らしなんで、炊事洗濯、ご飯の準備と、やることがイッパイあるんだ。

九條も大和さんも、俺に自分のグループに入れってうるさい。
何かモテてるみたいで勘違いしそうだけど、あいつら、ただ一票が欲しいだけ。
本当の俺じゃなくて、俺のカラダが目的って感じ。

俺は普通の学園生活を送りたいだけなのに……