◆ 遊郭のひみつ ◆

【円海】
なびげぇたぁ役の円海じゃ!
第一夜は遊女のひみつということで、本職のこの人に来ていただいたぞ」
【お蘭】
「はあ〜〜い、お蘭で〜〜す!」
【円海】
「それでは早速まいろうかの。ここを見ている人は遊女が何の職業が知っておるか?」
【お蘭】
「きれいな言葉でいうと春を売るお仕事なんだけど〜〜。
ぶっちゃけると男とセックスしてお金を貰うってことろかしら?」
【円海】
「ぶっちゃけすぎじゃ!」
【お蘭】
「遊女の大部分は女衒(ぜげん)って言う”人買い”に売られてきたのよ」
【円海】
「人買いか……、飢饉や戦乱で困窮する農民が子供を手放す……よくある話じゃ」
【お蘭】
「女衒が子供の親に払ったお金は。これから子供が借金として背負うことになるの。
立派な遊女になって稼がないとお金を返せないって仕組みね」
【お蘭】
「でも、遊郭に入れられてからの養育費、遊女の衣装をそろえる代金なども自分の借金になるから生半可なことでは返せないわよ〜〜」

【円海】
「まさに借金無間地獄!」
【お蘭】
「遊郭は華々しい世界だけど、それを維持するにはお金がかかるのよ〜」
【円海】
「例えるなら水辺に浮かぶ水鳥じゃな。優雅に泳いでいるように見えても水面下では必死に足を動かしているものじゃ」
【円海】
「遊郭に入ると先輩の遊女について子供の頃から、三味線、お琴、歌、などの芸事。詩歌、漢文などの古典の教養を仕込まれるそうじゃ」
【お蘭】
「でも、そこまで教育されるのはかなり見込まれた子供だけなのよ〜〜
そうして育てられた子供は高級遊女の候補となるのよ。人気が出れば"花魁"や"太夫"と呼ばれる高位の遊女になっちゃう人もいるわ。
でもそれは吉原が出来てからの話なのよね」














【円海】
「吉原か。有名な場所ゆえここで説明せねばなるまいな」
【お蘭】
「あら、円海は吉原のことちゃんとわかってるの?」
【円海】
「馬鹿にするでない! ちゃんと知ってるわい!」
【お蘭】
「じゃあ行ったこともある?」
【円海】
「ある!」
【お蘭】
「ぶぶ〜〜不正解〜〜!」
【円海】
「なっ!」
【お蘭】
「吉原というのはお江戸にあった代表的な遊郭のことよ。
『七人の妹』の舞台は戦国時代ですもの。当然江戸の町も出来上がっていないし、吉原も出来ていないわ〜〜」
【円海】
「しまったぁ! ぬかったわ」
【お蘭】
「ふふ、上手くひっかかちゃいましたね〜〜」
【円海】
「拙僧をいじめる暇があったら説明を続けるのじゃ!」
【お蘭】
「はいはい、すねちゃった人は放っておいて先に進みましょう」
【お蘭】
「神戸の福原、京の島原、江戸の吉原が三原と呼ばれて遊郭では特に有名な場所ね。
でも、江戸時代の公娼―つまり幕府に営業を認められた遊郭は吉原だけなの。
それ以外は岡場所と呼ばれる非公認の売春街があったのよ。こちらは吉原ほど堅苦しくもなく、値段も安いってことで町人に愛されたらしいわ」




【円海】
「どの時代でもこの手の需要は変わらんのう。まったく男というのは……」
【お蘭】
「でもね。江戸に売春街が出来るのはそれなりに理由があったのよ」
【お蘭】
「江戸の町が出来たばかりのころは女より男のほうが多かったの。これに参勤交代でやってくる武士を加えると……」

【円海】
「江戸の町は男だらけということじゃな」
【お蘭】
「だから女にあぶれた男の人を相手するために幕府も吉原に許可与えたってわけなのね」
【円海】
「俗に『娘一人に婿八人』という言葉があるがこれは当時の人口比率を反映した言葉なのじゃ」
【お蘭】
「へえ……良く知っているわねえ」
【円海】
「付け加えると婿を七人にして、娘と婿を引っくり返したのが今回のげぇむじゃ」
【お蘭】
「それは違います!」












【円海】
「吉原はについてはもういいじゃろう。次は遊郭の中身の話じゃ」
【お蘭】
「遊郭が出来始めたのは室町時代からね。その頃から公娼の遊郭はあったわ」
【お蘭】
「でもこの時代は歌舞を見せる流浪の芸人が遊女を兼ねることも多かったわ。そう言う人たちは遊行女婦(うかれめ)って呼ばれていたのよ〜」

【円海】
「歌舞伎の起源として有名な阿国も遊行女婦と呼ばれているのじゃ」
【お蘭】
「遊郭には店の主人である楼主(ろうしゅ)。監督役の遣手(やりて)。芸者。男の使用人である妓夫(ぎふ)、若い者、喜助(きすけ)とも呼ばれているわよ」
【円海】
「芸者は今や南蛮人でも知っている万国共通語じゃ。しかし、遊女と芸者を同じものと思ってはいかんぞ」
【お蘭】
「そこは間違えやすいから気をつけてね。ゲイシャガールは春を売りません。あくまで歌舞音曲を売るのが芸者で体を売るのが遊女なの。ここを見ている人も覚えておいてね」
【円海】
「別に試験には出ぬがな」












【お蘭】
「女郎の誠と卵の四角、あれば晦日に月が出る〜〜♪」
【円海】
「なんじゃなんじゃ、急に歌いだしたぞ!」
【お蘭】
「えっへん! これは江戸時代にはやった有名な都々逸(どどいつ)なのよ」
【円海】
「都々逸とは江戸時代に庶民の間で親しまれた歌の形式じゃ。三味線の伴奏に七・七・七・五調の文句をあわせて歌うのが特徴じゃぞ」
【お蘭】
「これは『遊女の本気と四角い卵なんてあるわけない、あったら三十日(みそか)に月が出てしまう』っていう意味なの。
この歌がさすように遊女と客の関係は騙し騙されが基本、これはどの時代の水商売でも一緒よねえ」
【円海】
「金で買っている色恋をホンモノだと錯覚させるのが遊女の仕事と言うわけじゃな」
【お蘭】
「その通り。客を騙す方法は手練手管(てれんてくだ)と言われて遊女の必須技能だったのよ〜〜」
【円海】
「とすると、お蘭殿も多くの男達を騙してきたのじゃろうな……」
【お蘭】
「あら、あたりまえじゃな〜い?」
【円海】
「恐っ……お蘭殿の目が本気じゃ……」
【お蘭】
「でも、地獄を見るのは遊女も一緒よ。遊郭との契約期日があけるまで遊女は遊郭の外には出られなかったの。
どんな嫌なお客でも相手にしないとけいないし。身体を壊して休むとそれだけ借金を返済する日が遠のいちゃうわ」
【円海】
「まさしくカゴの鳥じゃな」
【お蘭】
「好きな人と一緒に逃げる遊女もいたらしいわよ。でも失敗して捕まると厳しい罰が待っているのよ。
木に吊るされて棒で叩かれたり。冬の寒い日に水をかけられたり……中には死んじゃう人もいたのよ」
【円海】
「想像するだに恐ろしい話じゃ。基本的に人権思想なんてない時代だから楼主や遣手はやりたい放題なのじゃ!」
【円海】
「お蘭殿もよく無事で出られたのう……」
【お蘭】
「公式HPの人物紹介を覗いた人は知ってるかもしれないけどわたしは身請けされていたのよ〜〜」
【円海】
「身請けとはお客が遊郭に多額のお金を支払って、自分が買い取って、遊女の商売をやめさせる制度じゃ」
【お蘭】
「かなりの金額が必要になるから、財産がある家でないと身請けができないのよ〜」
【お蘭】
「身請けされた遊女はたいていお嫁さんや愛人になっちゃうわ〜。
要するに好きな人と一緒になるためにお客が遊郭に納得するお金を払ってその遊女を自由にしてあげるということよ〜」

【円海】
「お蘭殿は兄上に身請けされたと言う訳じゃな」
【お蘭】
「ちょっと違うけど、同じようなものね!その後の展開に関しては、げーむぷれいしてねー」
【お蘭】
「上手く宣伝できたところでまた次回お楽しみにじゃ!」